この章の目的はProduct/Market Fitに到達することです。つまり、市場が満足するプロダクトをつくることです。
そのために、ここまででユーザストーリーマップで整理した機能を開発したり、グロースサイクルや顧客ライフサイクル、ユニットエコノミクスをもとにプロダクトを改善してきました。
では、このPMFの達成はどうやって判断すればよいのでしょうか。これをやるのがPMFテストです。PMFテストは、その名のとおりPMFに達成したかどうかを測るために行うユーザテストです。代表的なものにProduct/Market Fit Surveyがあります。
PMF Surveyは、ユーザに「プロダクトが使えなくなったらどう思いますか?」と聞きます。回答したユーザの40%以上が「とても残念に思う」と答えたらPMFを達成したと言える、とするテストです。
「とても残念に思う」と答えたユーザが40%に満たない場合は、プロダクトを改善して40%をめざします。この繰り返しでPMF達成をめざしていきます。
プロダクト開発の最初のゴール、PMF達成までもう一息です。がんばりましょう。
PMFテストを実施してみましょう。プロダクトの画面右下などにフォームを設置し、ユーザに回答してもらえる機能をつくりましょう。数値を計測し、「とても残念に思う」ユーザが40%を超えるようプロダクトを改善しましょう。
PMFテストについては、次の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
tsukuriをリリースしてから6ヶ月が経ち、開発者・ユーザとも使ってくれる方がだいぶふえました。そろそろPMFテストを実施しようと計画しました。
tsukuriには開発者とユーザがいます。このため、PMFテストも両者に対して実施する必要があります。
PMFテストを行うため、プロダクトの画面右下にボタンを設け、ボタンを押すと回答フォームが表示されるようにしました。また、結果に偏りが出ないように、一度回答したユーザには半年間は再度表示しないようにしました。
また、テストを実施する対象としては、主要な機能を2回以上使ったことがあり、かつ直近2週間でプロダクトを利用したユーザとしました。これで、より正確な結果を得ることができます。
ある月にPMFテストを実施したところ、「tsukuriが使えなくなったとしたらどう思いますか?」との質問に対して「とても残念に思う」と答えた開発者は30%、ユーザは15%でした。
どちらも基準である40%に達成しておらず、とくにユーザの数値が低いという結果になりました。
PMFテストの結果をふりかえるためにユーザインタビューを実施したところ、開発者にとっては『tsukuriはプロダクトをユーザとともにつくるという直接的メリットがあり、代替不可能なプラットフォームである』という評価がありました。一方でユーザにとっては『tsukuriがなくなってもTwitterでまかなえる』という意見がありました。
PMFテストの結果を受けて、まずユーザ側の数値を改善するための取り組みをはじめました。たとえば、グッズを制作するサービスと連携して、tsukuriでのユーザの活動に応じてプロダクトのオリジナルグッズを配布する仕組みを導入しました。
こうした取り組みを続け、40%という数字をめざしていきました。
Webエンジニア&プロダクトマネージャ。 プログラミングで『ひとりで働く』を模索中。 三重の山の中で妻とこども、ネコとのんびり暮らしています。
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