Webサービスやアプリのアイデアを出したあとで、次にやることは「そのアイデアを実現する価値は本当にあるのか?」を検証することです。
アイデアの価値を検証する方法のひとつにユーザインタビューがあります。ただ、いつでもインタビューできるわけではありませんし、特定のユーザの声ばかり聞いてしまうとプロダクトに偏りができてしまいます。
ユーザインタビュー以外の方法として、ペルソナという仮想的なユーザ像をとおして検証するやりかたがあります。この記事では、ペルソナとはなにか、またペルソナのつくりかたについて示します。
ペルソナとはプロダクトがターゲットとするユーザの属性をもった、仮想的なユーザ像のことをいいます。たとえば上の図のように、1枚の画像にユーザの情報をまとめたものがペルソナです。
ペルソナは名前や年齢、性別、職業や写真などから構成されます。ほかにも、たとえばファッション関係のプロダクトをつくるなら、ファッションにかけるお金は月にいくらか、どういうファッションが好みか、といったプロダクトに応じた要素もふくまれます。
プロダクトの企画や開発をしていると、どうしても主観的なアイデアが出てしまいます。長く開発していると固定観念にとらわれ、ユーザの視点が失われがちにもなります。
このアイデアをユーザならどう思うか?という客観的な判断をするには、ユーザの考えを知るしかありません。ユーザインタビューでユーザの声を直接聞ければいいのですが、いつでもインタビューできるわけではありません。インタビューの前にできるだけアイデアの精度を高めておきたいのも事実です。
こういったときにペルソナが役に立ちます。ペルソナをとおしてアイデアを考えてみる、つまりペルソナになりきって「このペルソナならこのアイデアをどう思うか?」を考えることで、アイデアを客観的に見ることができます。
これがペルソナの役割です。ペルソナはプロダクト開発のプロセスにおいていろんなシーンで役に立ちます。
ペルソナは、ユーザになりきってものごとを考えるためにつくります。つまりユーザになりきるのに必要な情報があればいいことになります。
決まったフォーマットはありませんが、たとえば次のような要素を入れるとよいでしょう。
名前、年齢、性別、写真、出身地、居住地、職業、趣味、性格、特徴、一日のスケジュール
一日のスケジュールは、ペルソナのふだんの過ごし方を設定します。こうすることで、一日のどのタイミングでプロダクトを使うのか、どんな使い方をするのかがイメージしやすくなります。
そのほかにも、プロダクトに応じて要素を追加します。たとえばファッション関係なら毎月ファッションにかける金額などです。
ペルソナは、プロダクトがターゲットとするユーザをモデルにします。前述したペルソナの構成要素を、「こんな人ならプロダクトをつかうだろう」とイメージした上でペルソナをつくります。
ペルソナはひとりではなく複数人分つくると多角的な見方ができるのでよいでしょう。
プロダクトのアイデアを出した段階では、ペルソナは想像でつくることしかできません。ただ、企画が進みユーザインタビューを繰り返す中で、ペルソナがどういう形であるべきかがどんどん見えてきます。ペルソナの要素は随時更新していきましょう。
また、ペルソナの名前や住所などが思いつかないことがあると思います。そのときはダミーの個人情報を生成するWebサービスなどを利用するのも手です。写真も無料で利用できるサービスがあるので、検討してみましょう。
ペルソナはプロダクト開発において、アイデアを客観的に考えるために重要なツールです。客観性がないとプロダクトに一貫性がもてず、使いづらいものになってしまいます。
ペルソナをつくったら、共感マップやカスタマージャーニーマップなどをつくりペルソナを補強するやりかたもあります。これらについては別途記事を公開する予定です。
Webエンジニア&プロダクトマネージャ。 プログラミングで『ひとりで働く』を模索中。 三重の山の中で妻とこども、ネコとのんびり暮らしています。
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Follow @zenizh共著で『現場で使えるRuby on Rails 5(マイナビ出版)』を書きました。
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