プロダクトに名前をつける方法

Webサービスやアプリをつくるときに、意外と頭を悩ませるのがネーミングです。名前はユーザの認知や印象など決定づける、プロダクトにおいて重要な要素のひとつです。

名前をつける上で満たした方がいいこと、つけ方を知ることで、いい名前を思いつけるかもしれません。この記事では、名前がもつ意味、いい名前をつける必要性やつけ方について書いていきます。

プロダクトにおける名前とは

プロダクトにおける名前とは、プロダクトを識別・認知し、イメージを想起させるためのことばです。

たとえばAppleと聞けばiPhoneやMacBook、Twitterと聞けばタイムラインなど、具体的な製品が頭をよぎるのではないでしょうか。ほかにもAppleならシンプル、Twitterなら『情報がとびかうようす』が思い浮かぶかもしれません。

もちろん、こういったイメージの持ち方は人によって変わってきます。いずれにしても、ユーザにはプロダクトを認知してもらい、よいイメージを持ってもらいたいものです。これには名前が重要な役割を果たしています。

なぜよい名前をつける必要があるのか

よい名前をつける目的は、ユーザの認知やイメージをよくし、利用や拡散を促すためです。同じ機能をもつプロダクトでも、名前によってユーザに与える印象はまったく変わってきます。

事例

ここでひとつ、名前に関する例を見てみます。

ネーミングの代表的な例として、伊藤園が展開している『お〜いお茶』があります。今でこそ有名なブランドですが、発売当初は『缶入り煎茶』という名前でした

「煎茶という漢字が読みづらい」などの理由から名前を変えたところ、売り上げが前年の6倍になったという記録があります。名前ひとつで製品の認知やイメージを変えるよい例といえます。

よい名前の条件

では、具体的にどのような名前をつければよいのでしょうか。よい名前の条件として、次の3つがあります。

1. 認知しやすいか

わかりやすさ、覚えやすさ。プロダクトがユーザの頭をよぎったときに、名前がすぐ出てくるかどうか。

2. よいイメージをもてるか

親しみやすさや信頼性など、与えたい印象があるか。ユーザがプロダクトに対してポジティブになれるか。

3. 拡散しやすいか

発音しやすいか。字面はよいか。口コミで広がりやすいか、文字として書きやすいか。

名前のつけ方

では、具体的にどうやって名前をつければいいのでしょうか。決まったやり方はありませんが、体系的に名前をつける方法を紹介します。

このやり方では、名前を次の4つの手順で決めていきます。

1. キーワードを出す

まず、名前のもととなるキーワードを出します。可能な限りたくさん出します。

例:プロダクトが提供する価値、ターゲットとなるユーザ、使われる場所、いつ使われるか、どうやって使うか、なにをするか、なぜ使うのか、持たせたいイメージなど

たとえばクックパッドは、料理の『クック』とメモ帳の『パッド』。提供する価値がもとになっていることがわかります。

2. キーワードをもとに名前をつける

出したキーワードをもとに名前を考えます。これもたくさん考えます。

例:単語をくっつける、くっつけて造語とする、日本語や外国語をそのまま名前にする、文字を一部変える、接頭辞や接尾辞をつけるなど

たとえばTwitterは『とりのさえずり』という意味をもつ単語がそのままサービス名になっています。

3. 名前を評価する

次につくった名前を評価します。評価基準はプロダクトによってさまざまですが、どういうイメージをもってもらいたいか?をもとに決めます。

例:わかりやすさ、発音のしやすさ、覚えやすさ、親しみやすさ、字面のよさなど

4. 名前に問題がないか確認する

ここまでの段階でいい名前を思いついたかもしれません。ただ、いくらいい名前でもつけない方がいい、あるいはつけてはいけない名前もあります。

これは、次の例をもとに確認します。

例:商標が取られていないか、同様のプロダクト名や会社名が存在しないか、SEOで強力なライバルがいないか、主要なドメインは取得できるか、SNSアカウントは取得できるか、他の国でNGなことばではないか

たとえばAmazonはもともとCadabra(アブラカタブラが由来)という名前でしたが、死体を意味するCadaverに聞き間違えられることが多かったため社名変更につながりました。

いつ名前をつけるか

次に問題となるのが『いつ名前をつければいいのか』です。決まったタイミングはありませんが、ユーザが抱える課題と解決策の検証を終えてから、MVPを構築する前までにつければよいでしょう。

なぜなら、ほとんどのケースで名前は課題と解決策に依存しますが、このふたつはユーザインタビューを繰り返す中でどんどん変化するからです。アイデアを出した直後に名前を決めても、結局変わることになってしまいます。

よほどのこだわりがなければ、MVP構築の段階に入るまでは一旦決めずに進めればいいでしょう。

まとめ

プロダクトにおける名前は、ユーザにとって認知や印象、拡散のしやすさに関わってくる重要な要素です。キーワードを出し、組み合わせたりして名前を考え、評価することで決めます。商標などの面で問題がないかを気をつけた上で決めましょう。

Hiroki Zenigami

Webサービスとアプリづくりが趣味。 ふだんは会社員をしつつ、副業でWebサービスを運営。 プロダクト開発や転職、副業を中心に書きます。

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