プロダクトのアイデアを整理する『リーンキャンバス』の書き方

リーンキャンバスは、Webサービスやアプリのアイデアを1枚にまとめた資料です。このリーンキャンバスはプロダクトをつくる上でとても重要で、これがないと『プロダクトをつくったのに誰にもつかわれない』という問題が起きるかもしれません。

リーンキャンバスはプロダクトをつくりはじめるときにまず作成し、継続的に更新していく資料になります。この記事ではリーンキャンバスの説明や書き方について示します。

リーンキャンバスとは

Lean Canvas

リーンキャンバスはプロダクトのアイデアを1枚にまとめた資料で、リーン・スタートアップの実践書『RUNNING LEAN』の中で著者のアッシュ・マウリャ氏が示しました。プロダクトをつくりはじめるときにまずリーンキャンバスを作成し、ユーザインタビューをとおして仮説を検証しリーンキャンバスの完成をめざします。

リーンキャンバスは次の9つのブロックからなります。プロダクトのアイデアを思いついたら、まずこのリーンキャンバスを15分以内に書いてみるとアイデアが整理されます。

順番 ブロック 概要
1 顧客セグメント ターゲットにする顧客
2 課題 顧客が抱える課題。上位3つ
3 独自の価値提案 注目に値する価値を表したメッセージ
4 解決策 課題の解決策。上位3つ
5 チャネル 顧客への経路
6 収益の流れ 収益モデル
7 コスト構造 人件費、流通コスト、顧客獲得コストなど
8 主要指標 計測する顧客の主要な活動
9 圧倒的な優位性 簡単にコピーできないもの

なぜリーンキャンバスをつくるのか

リーンキャンバスをつくる大きな目的は、失敗するプロダクトをつくらないためです。アイデアの中にある不確実さを明らかにし、ユーザインタビューで検証することによって仮説を正すことで、使われないプロダクトをつくらなくてすむようになります。

あなたがプロダクトのアイデアを思いついたとき、そのアイデアは言い換えると顧客のなにかしらの課題を解決する案であるといえます。では、はたしてその解決策で本当によいのでしょうか?あるいは顧客はその課題を本当に抱えているのでしょうか?もっというと、その顧客は本当に存在しているのでしょうか?

アイデアというのは、たくさんの仮説から成り立っています。仮説を仮説のまま開発を進めてしまうと、誰からもつかわれないプロダクトをつくってしまうことになりかねません。

このことを防ぐために、アイデアを1枚の資料にまとめます。ユーザインタビューをとおして仮説を検証し、アイデアを継続的にブラッシュアップすることで、仮説をなくし論理的にプロダクト開発にとりくむことができます。

どうやってリーンキャンバスをつくるか

リーンキャンバスをつくる上で、つかうツールは自由です。専用のWebサービスがありますし、Keynoteなどのスライドをつくるツールでもいいでしょう。たんにノートアプリや、紙とペンで手書きするのもいいでしょう。

筆者はまず紙とペンでブレストし、清書としてノートアプリに記入しています。リーンキャンバスは何度も修正することになるので、デジタルで管理することをおすすめします。重要なのは、1枚の資料として全体を見渡せることです。

つくるツールが決まったら、リーンキャンバスの9つのブロックをひとつずつ記入していきます。すべて書き終えるのに使う時間は最大でも15分で、一気に書き上げます。この理由は、リーンキャンバスは仮説が前提であり、最初から完成することはありえないからです。リーンキャンバスの作成に時間をかけるのではなく、その分をユーザインタビューにあてましょう。

リーンキャンバスをつくったら、ユーザインタビューをとおして検証します。リーンキャンバスにはたくさんの仮説があるので、この仮説を整理し、重要かつ不確実性の高いものから検証していきます。仮説の整理方法やユーザインタビューのやり方については別の記事にします。

リーンキャンバスを作成し、ユーザインタビューを繰り返すことでプロダクトのアイデアがどんどん洗練されていきます。洗練されたアイデアを開発することで、『誰からも使われない』という失敗を防ぐことができます。これがリーンキャンバスをつくる最大のメリットです。

おわりに

リーンキャンバスは、プロダクトをつくる上でなにより重要な資料のひとつです。最初にリーンキャンバスをつくり、ユーザインタビューをとおして継続的に更新していきます。洗練されたリーンキャンバスをもとにプロダクトをつくることで、ユーザにあいされるプロダクトになることでしょう。

Hiroki Zenigami

Webサービスとアプリづくりが趣味。 ふだんは会社員をしつつ、副業でWebサービスを運営。 プロダクト開発や転職、副業を中心に書きます。

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